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朝顔【刀剣乱舞】

第5章 平凡の難しさ【次郎太刀】


「お手紙持ってきたよー」


次郎太刀から戦績を手渡される。

いつもの戦績のほかにもう一通『検査結果』と書かれた封書もあった。
見ないわけにもいかないので、嫌々ながら開封する。






「また『可』なの?前より戦績は良かったはずでしょ」



大きなため息を吐く。




すべての審神者は定期的に能力検査を受けている。

健康や霊力の保有量に異常がないかチェックされ、ここに戦績が加味されて『秀』『優』『良』『可』の4段階で評価されるのだ。


健康状態は文句なしの優良、戦績だって良い方である、問題は霊力の保有量が極端に低いことだ。

検査官の言葉を借りるとどうして審神者になれたのか不思議なくらい低いのだ。


「霊力の保有量ったって、努力してもどうにもならないじゃないのーっ!」

「荒れるねぇ、『可』だって問題ないんじゃないのかい?」

「大有りよ!」






「ふーん、主は『可』しか取ったことないんだ。アタシは特に気にならないけどねぇ」

こんのすけから審神者の定期能力検査と彩鴇のこれまでの結果を聞いてもどこ吹く風といった様子だ。

他がどうかは知らないが、実際に出陣先で不便を感じたことはなく、彩鴇の能力が低いと言われてもピンと来ないのだ。




「霊力って生まれつき保有量が決まっていて、個人の努力でどうにかなるものではないのよ」


彩鴇の恨み節が始まる。


確かに霊力は刀剣男士を呼び出し、時間遡行軍を倒すために必須だ。
霊力の保有量が多いほど、呼び出せる刀剣男士の数が多くなりやすい。
だが、そこに評価の比重が置かれているのはどうかと思う。



「しかもこの能力検査は相対評価なのよ。一定数の『秀』がいれば、必ず一定数の『可』が出るの」



霊力保有量の低い彩鴇が評価を上げるためには、周りの戦績が悪いときに良い戦績を出すしかないのだ。





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