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兄は戦国武将〈イケメン戦国〉

第15章 大好き


安土に帰ってきて体調が戻った数日後
信長が言っていた葉月の快気祝いの宴が開かれた


「お市こっちに来い」


『はい。兄さま』


そばに呼び葉月の酌で機嫌良く酒を飲む信長
その光景を横目で見ながら家康は小さなため息を吐いた


「ため息なんか吐いてどうした家康?」


チラリと視線を向けるとニヤニヤと笑みを浮かべ
明らかにからかおうとする政宗
それを無視し家康は無言で箸を動かした


「聞いてやるな政宗」


此方も口角を上げ楽しそうに笑う光秀


「・・・・・面倒くさ」


「それそれっ何時もならさっさと帰るだろお前
でもそんなお前が女の為に残ってるんだ絡むなって方が無理だろ?なあ光秀」


「ああ、この俺をしても家康をからかう種など滅多に掴むことは無いからな」


諦めろと二人から言われ家康は盛大にため息を吐いた


『ただいま家康』


暫くして信長から解放された葉月が家康の横に帰ってきた


「ちゃんと食べなよ」


『うん。あっこれ家康好きでしょ?』


あーんと、箸で摘まみ家康の口元に持っていくと
躊躇うことなくパクリと食べた


「お返し」


にっと口角を上げ煮物を葉月の口へと運んだ


『美味しい。ありがとう家康』


「「「・・・・・・・・」」」


「仲が宜しいですね」


「そ、そうだな三成」


「気に食わんがお市が家康が良いと言うなら仕方ない」


にこにこと秀吉に声をかける三成と
不満そうにしながらも祝福をする信長


『ありがとうございます兄さま
私は家康が大好きです』


「大好きだってよ家康」


「良かったな家康」


「煩いです」


政宗と光秀にからかわれ
朱くなった顔を隠すようにそっぽを向く家康


「お市よ兄である俺はどうなのだ?」


『ふふふ。もちろん好きですよ兄さま』


館を飛び出し色々なことがあった
恋人と言うにはまだ早いかも知れないけれど
好きな兄さまとそれ以上に大好きになった家康
これからも私はここ戦国時代で今の生を生きていきます


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