第14章 おかえり
信長、政宗、家康の三人は
もうすぐ来るであろう上杉、武田の軍勢を待った
暫くすると砂煙を上げて信玄と幸村が到着した
「佐助の言ってた通り戦は終わったらしいな」
「武田がなに用だ?」
声の届く距離に着く早々に双方は不適な笑みで語りかけてきた
「用があるのは其方の方だろう
なあ徳川家康?」
信長から視線を家康に向けた
家康はじろりと睨み付けるが
そ知らぬ顔で信玄は微笑む
「我が妹、お市は何処だ」
「さあ~そんな名前の姫は知らないな~」
「腹立つ顔だな」
ニヤニヤと楽しそうに笑う信玄に苛つく政宗
「信玄様間もなく謙信様が此方に到着します
あと、挑発しないで下さい」
後からやって来た佐助が信玄を嗜めた
「いいじゃないか佐助」
「はいはい信玄様、大人しく下がりますよ」
ぐいぐいと襟首を引っ張り佐助の後ろに下がっていった
「お初にお目にかかります信長公
おれの名前は猿飛佐助、謙信様のもとで忍をやっています」
「ほう上杉の忍か」
「はい。こうして直接お話しできる日が来るとは・・・」
「・・・・なに」
ジーッと見られ家康は眉間に皺を寄せた
「おれの一押しは家康公なんです
会えて、話せて、光栄です。今おれは感極まっています」
クイッと眼鏡を持ち上げ食い入るように家康を見た
「その割には表情がねえぞ?」
「いやいや良くみてみろよ伊達、微かに広角を上がってんだろ?」
「分かりにくいわっ!!」
「佐助は表情筋が仕事放棄してるからな~」
「はあ・・・・・そんなことよりも上杉謙信はいつ来るの?」
「間もなく・・・・ああ、来たようです」