第12章 どうしましょう?
残党狩りに政宗とともに出掛け
呆気なく殲滅し臣下に捕縛を言い渡し
夕刻に問題なく城に帰ってくると秀吉が出迎えた
「お市が消えた」
「は?」
青い顔色をした秀吉に連れられ広間に入るなり
信長が開口一番にそう告げた
「お前が一緒にいて何をしてた三成」
家康がジロリと三成に視線を向けると
真剣な表情で見つめ返してきた
「本を・・・・・読んでおりました」
「・・・・・信長様」
「人選を誤ったようだ」
「信長様申し訳ありません!!
俺が三成に本を取り扱っている店には寄るなと
言わなかったばかりに!」
「秀吉、子供のお使いじゃあるまいし
わざわざいちいちそんなこと言わねえだろう」
力説する秀吉に突っ込む政宗だが
そんなことはどうでもいい
今は葉月の行方を捜す方が先だ
「信長様ただいま戻りました」
「帰ったか光秀
して、手がかりはあったか?」
「はい。
大通りで騒ぎがあったことはご存知でしょうか?」
「ああ、報告が上がっている」
「実は・・・・・」
騒ぎをおこした犯人は家康が殲滅に向かった今川の残党だった
たまたま安土城下に潜伏していた残党が
葉月を見つけ酔っぱらいを演じ大通りを封鎖し
裏道に葉月を誘い込み連れ去ったのだと言った
「可笑しくねえか?」
「可笑しいとはどう言うことだ政宗」
「そいつらはお市を連れている
まあ言い方は悪いが荷物を抱えてるわけだ
だが一刻も早く安土城下から離れたいはずだ
ならば余計な遠回りはせず真っ直ぐ走るよな?
他の道がない訳じゃないが俺たちとすれ違わないのは可笑しくねえか? 」