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兄は戦国武将〈イケメン戦国〉

第12章 どうしましょう?


家康が政宗とともに城をたった数刻後の城下町
葉月は三成に連れられ店に立ち寄ったのだか・・・


『あの・・・・三成さま?』


「・・・・」


三成は本を開いて半刻
葉月が声をかけても
微動だもせず読み耽っていた


『どうしましょう?』


三成と本の間で手をヒラヒラとさせても
葉月を認識しない三成に困り果てていると


「あ~三成様がこうなったら
数刻はそこから動きませんよ」


『そうなのですか?』


「はい。他に用事があるのでしたら
私が三成様を見ておりますので
お出掛けになられても大丈夫ですよ」


『そうですね・・・
では、よろしくお願い致します』


三成を店主にまかせ葉月は一人店を出た
帰るにはまだ早く昼餉を兼ねて
甘味やを目指すことにした
大通りを進んでいると道を遮るように
人だかりができていた


『・・・なんの騒ぎでしょう?』


「この先で酔っぱらいが暴れてるってよっ!」


「朝から酒って
いい身分だなっ!何処のどいつだよっ!!」


荷物を抱えた商人が仕事を邪魔され
苛立ちを露にしていた


「もし」


『はい?』


どうしようかと野次馬から少し離れて
様子を伺っていると
後ろから声をかけられた


「突然申し訳ありません
伝言を預かって参りました」


『伝言?
誰からでしょうか?』


そう聞くと・・・・・


「石田三成からです」


『三成さまから・・・・・ですか』


確かに今日は一緒に城下町を散策していた
三成に敬称は必要ないと家康が言っていたが
彼は織田家の参謀で誰がなんと言おうと臣下を持つ武将
その三成を敬称もなしで呼ぶこの男は非常に怪しい


「此方に」


手首を掴まれ裏路地へと引っ張られた


『自分で歩けます。お離し下さいませ』


「確実にお前を連れて行かないと駄目なんだよ!」


振り向いた男に殴られ葉月の意識は闇に沈んだ


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