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兄は戦国武将〈イケメン戦国〉

第12章 どうしましょう?


意識が浮上しゆっくりと瞳を開くと
薄暗い部屋の中の褥に寝かされていた


『・・・・』


状況を把握するため体を起こそうとした時
足音が近づいて来るのに気がつきまた瞳を閉じた


「まだ起きてねえぞ」


「そうだね。
早く起きてくれないと・・・・」


「貴様ら、ここで何をしている」


襖が開く音と聞き覚えのある声に
薄目を開き入ってきた者達の姿を確認すると
少し冷たい声色に薄暗い部屋でも分かる綺麗なオッドアイの瞳


『謙信さま?』


「目が覚めたか葉月」


私の声に反応し目元を和らげ側に膝をついた


『わたしは何故此処にいるのでしょうか?』


小首を傾げ問いかけた


「助けた」


『・・・・簡潔すぎて意味が分かりません』


確か怪しい男に殴られた所までは覚えている


「実は、たまたま安土に来ていて
たまたま葉月さんが拐われる所を目撃したんだ
謙信様がたまたま尾行をしていたお陰だね」


『たまたま?
それはストーカーって言いませんか?』


「・・・・・気のせいだよ」


ふいっと横を向き佐助は葉月から視線をそらした


「やあ葉月、腹が減っているだろう?
一緒に夕餉を食べよう」


あとからやって来た信玄がヒラヒラと手を振り
笑顔を向け発した言葉に葉月は硬直した
開いた襖から外に目を向ければ太陽が山に沈もうとしていた


『・・・謙信さま』


「なんだ葉月」


『助けて下さったのは今朝でしょうか?』


「いや、昨日だ」


『昨日・・・・・』


三成と出掛けたはずの葉月がいなくなり
さぞ三成は困ったことだろう
まあ、三成が本に熱中などしなければ
葉月が一人で歩くことも無かったのだが
今頃安土城では間違いなく大騒ぎになっているだろう


『はぁ・・・・・どうしましょう?』


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