第12章 どうしましょう?
何時もよりも早く登城し廊下を歩いていると
前方の厨から政宗が出てきて顔を見るなり
嫌な笑みを浮かべ声をかけてきた
「なんだ~朝から機嫌が悪いな家康?」
機嫌が悪いことを指摘されイライラが更に増した
適当に挨拶を交わし自分の仕事部屋へと向かった
どさりと文机の前に座り机の上に置いたままのだった書状を乱暴に広げた
「ここから十里と五町・・・・・」
安土城の近くで今川の残党が確認されたと
昨夜光秀から情報が入って来た
このまま放っておけば葉月の事を知られるかもしれない
速やかに残党狩りに出掛けなくてはいけない
三成に葉月を預けるのは癪だが
信長様の指示なら仕方がない
「さっさと片付る」
着替えを済ませ数人の臣下を連れ厩まで来ると
「よう家康」
「なんの用ですか?政宗さん」
「なに言ってんだ俺も行くに決まってんだろ」
にやりと笑い政宗は鐙に足をかけた
「・・・・邪魔しないで下さいよ」
「りょう~かい。
最近暴れてねえからなあ腕が鳴るぜ」
「はあ・・・・行くよ」
張り切って馬に飛び乗る政宗に小さな溜息を吐き
家康も馬に乗り後ろに付き従う臣下に声を掛け出発した