第12章 どうしましょう?
「おはようございます。家康様」
朝早く後殿に三成が訪ねてきたが
家康は眉間に皺を寄せ"帰れ"と言い放った
「お市様をお迎えに参りました。
信長様の命令で城下町を案内する様言われたのですが聞いておりませんか?」
「は?聞いてない」
「今日家康様は大事なお仕事があるとの事で
代わりにお市様を案内する様にとことづかって参りました」
『・・・兄さまの家康に対しての嫌がらせね』
チッと小さな舌打ちを三成にして葉月に視線を向けた
「早く終わらせるから」
『はい。いってらっしゃい』
そう言うと三成の横をすり抜け城へと向かっていった
『出掛ける準備をしてまいりますので
少々お待ち下さいませ』
葉月は三成を残していったん自室に帰った
『三成さまと出掛けます着替えを用意して』
「はい。姫様」
椿にお願いして素早く着替えを済ませ
三成のもとへと向かった
「では参りましょうかお市様」
『はい。行ってきますね』
三成はにこにこと微笑みながら手を差し出してきた
軽く手を添え椿に声をかけた
「いってらっしゃいませ」