第12章 どうしましょう?
兄さまとの視察から数週間
何時もと違い和やかな雰囲気の天守閣では
お茶菓子を食べながら毎度お馴染み囲碁を私は打っております
「暑くないか?お市」
『涼しいです兄さま』
夏日で暑いだろうと私の隣で
兄さまは扇でくれております
兄さまの過保護ぶりが炸裂しております
では私の囲碁のお相手はと言うと・・・・
「お市様はお強いですね」
何故か三成さまが囲碁の相手をしてくれております
『三成さまの方が私よりもお強いではありませんか』
「お市様は覚えがお早いです
すぐ私は追い越されてしまいそうです」
『まあ、三成さまはお口がお上手ですね』
「え?私は本当の事を言っただけなのですが?」
不思議そうに首を傾げる三成
「こやつは世辞は言わぬ
本当にそう思ったのだろう
お市は聡明で愛らしいとな」
『兄さま、三成さまはその様なこと一言も・・・・・』
「はい。お市さまは知的で可憐で魅力的ですね」
『あの、無理にその様なことを仰らなくても・・・』
「真実を言ったまでだ」
「本当のことですよお市様」
『あ、ありがとうございます?』
真面目な顔の信長とにっこり笑顔の三成に言われとりあえずお礼を言った