第11章 兄さま
兄さまとやって来た村
兄さまは村長と話をしていて暇だった私は
ふと甘味やに入って行く一人の男性に目が行った
兄さまの了承を得てからその男性を追いかける様に甘味やに入った
『こんにちは信玄さま』
「葉月?こんなところで会うとは運命だな
一緒にお茶でもどうだい?」
『運命では御座いませんがご一緒致します』
奥の座敷の部屋に通され上がるとそこには・・・
『・・・・・』
「信玄どういうことだ?」
座敷には謙信の他にも幸村と佐助も座っていた
「やあこんにちは葉月さん」
「よう」
『こんにちは佐助くん、幸村
お久しぶりです・・・・・謙信さま』
「・・・・・久方ぶりだな葉月」
「葉月は何を食べる?俺は団子だな」
『では私も同じ物を御願い致します』
「幸と佐助はどうする?」
"同じで"と二人の声が重なり
謙信は一人お酒を頼んだ
先にお酒が届き静かに飲み始める謙信
暫くして団子が届きパクリと頬張った
『美味しいですね』
「ああ。ここは最近できたお店でね
美味しいと評判だったから来て見たかったんだよ」
「信玄様、食いすぎないで下さいよっ!」
「ところで葉月さん、誰かと一緒に来たの?」
『ええ、兄さまと・・・・』
その言葉に謙信がピクリと反応し
店の入り口に視線を向けた
『私はこれで失礼いたします』
食べかけの団子をそのままにいそいそと立ち上がり
店の入り口へと向かい歩きだしたが途中で後ろを振り返った
『以前と同じに接して頂きありがとうございます。
またお会いしましょう』
ペコリと頭を下げて微笑んだ