第11章 兄さま
城下町を過ぎ半刻程走ると村が見えてきた
ここは最近人が増え新しい店が出来たと報告が上がって来た
村に到着し馬を預けお市と歩いていると
俺の顔を知っている者がぎょっと驚き何処かへと駆けていった
「これは信長さま。如何されましたか?」
先ほどの男が呼んできたのはここを収めている村長だった
「随分と賑わっているようだな」
「はい。この村で店を開きたいと言われまして了承いたしました
店が出来れば働き口も出来ますし人も集まります!
寂れた村は嫌だ出ていった若い衆が村に帰ってきて新たに店を開いたりと、大変感謝しております!!」
満面の笑みでそう語る村長
確かに以前来た時よりも店も人も格段に増えていた
「なんだ?」
くいっと袖を引かれ振り向くとお市が甘味やを指差した
「ああ、構わん好きなものを食べていろ」
こくんと頷き歩いていくお市を見送り村長と話を続けた
暫く話を聞き村長と別れお市がいる甘味やに向かった