第10章 違います
『そ、そう言えば・・・本能寺の件ですが
賊がまだ捕まっていないとお聞きました』
葉月が考えた結果は話を変えること
佐助がまだ賊が捕まっていないと
言っていたことを思い出した
「その話、誰に聞いた?」
信長の声に鋭さがあり
ぴりっとした空気に辺りに広がった
『情報源は簡単にお教えするものではございません』
にっこり微笑みを浮かべた
『主犯かどうかはわかりませんが
心当たりがございます』
「なに?」
『お教えしても宜しいですか。条件がございます
婚姻をなかったことに、あと・・・』
「婚姻は白紙、だが織田家と縁を切ることは許さん」
葉月が言い終わる前に信長が先手をうった
『ありがとうございます信長さま。では・・・・
本能寺の火事で信長さまを助けた時
寝ている信長さまに刀を向けた者がおりました。
咄嗟に信長さまの前に出て信長さまを庇いました。
その時に私は賊の顔を正面から見たのです
信長さまを・・・・・』
「待てお市」
本能寺でのでき事を一気に喋っていると信長に遮られた
『なんでしょうか信長さま?』
"信長さま"を強調してにっこりと笑った
「・・・兄と言ってくれぬのか?」
「は?の、信長様?」
じっと葉月を見る信長に
秀吉は戸惑い間抜けな声を出した
「引っ掛かるのそこじゃない」
『信長さまには重要な事の様です。家康』
「はあ・・・・賊を正面から見たってことは
賊に葉月の顔見られたんじゃない?」
『はい。しっかりと見られたと思います
なのでもうひとつの条件を言わせて頂きます
私を家康の後殿に住まわせて下さいませ』