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兄は戦国武将〈イケメン戦国〉

第3章 お酒はお好き?


『出掛けても宜しいでしょうか?』


「俺に聞かずとも好きにすればいい」


朝餉の席で謙信に聞くと
素っ気無い返事が帰って来た


『はい。では行ってまいります』


朝餉を終えていそいそと自室に帰り
小さな巾着を手に部屋を出た


「やあ姫君。
今日は俺と逢い引きしないかい?」


信玄が柱に背を預けにこやかな笑顔で誘ってきた


『逢い引きなど致しません』


スッと横をすり抜けスタスタと歩きだした


「残念。では甘味やまでの俺の散歩に
付き合ってはくれないかい?」


"甘味"と言う言葉にピタリと歩を止めた


『・・・・・甘味』


「散歩に付き合ってくれたら
お礼に甘味を御馳走する」


"散歩"を強調しながらもうひとおしして
葉月の横に並び手を取った


『姫君と言うのを止めていただければ
お散歩にお付き合いしてあげても宜しいですよ』


「決まりだな。では葉月
幸に見つかる前に行こう」


信玄に手を引かれ城下町へと出掛けていった


「葉月はなんの甘味が好きなんだ?」


『そうですね。
小豆餡がのったお団子を好んで食べます。』


パクパクと甘味を食べながらいつもよりも饒舌に喋る


『他にも塩大福みたいな塩味が聞いた物も好きです』


「そうかそうか、ならこれも食べてごらん」


『わあ、金平糖っ!
昔よく兄さまが持ってきてくれてました』


「ん?葉月には兄がいるのか?」


『"いる"のではなく"いた"のです。
勝手ながら兄さまとは縁を切らせていただきました』


「勝手にとはどう言う・・・・・」


「アンタはまた俺の隠れて何食ってんだよ!!」


幸村が言葉遮り信玄が手に持っていた甘味を奪いさった


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