第3章 お酒はお好き?
『凄い・・・・お店がいっぱい』
「葉月さん落ち着いて」
高台にある春日山城の部屋から見えていた大きな城下町
行ってみたいとは思っていたが言い出せず只々見つめていた
「佐助」
「はい。謙信様」
「つかいに行って来い」
そしてお世話になりだして数日
朝餉の席で謙信が言った一言で私の念願が叶った
佐助くんが一緒に行こうと誘ってくれて城下町に連れ出してくれた
「素直じゃないな~謙信は」
「何のことだ」
佐助と葉月が出掛け
仕事に取り掛かった謙信の仕事部屋に信玄が押しかけ
ニヤニヤと笑いかけた途端に謙信の眉間には皺が刻まれた
「姫の事だ。ちゃんと"出掛けて来い"と言えばいいだろう?
何ならお前が案内しやればよかったんじゃないのか?」
「寝言は寝て言え」
「そういう事にしといてやる
ところで謙信・・・・・奴が動くぞ」
浮かべていた笑みを消し真剣な顔で声を発した
「こちらも動く。準備をしておけ信玄」
「ああ」
「首を洗って待っていろ信長」
葉月が楽しく城下町を散策している間
春日山城では不穏な空気が漂っていた