第3章 旅の始まりは突然だけど準備はしっかりと行いましょう
江流達と別れて数十年が経ちました。
まさか数年前に再会した江流が無事に三蔵法師になり、子持ちになってるなんて思いもしませんでしたが、
狭いジープの口喧嘩をしているのは悟空と沙悟浄である。
悟空は江流が数年前に山から拾って来た少年で、斉天大聖と言われる妖怪と言っていいのか分からないほど恐れられる存在らしい。
しかし、見た目は幼く、いつもお腹を空かせているのであまり恐怖などを覚えたことは無い。
「はらへったーー!」
「うっせーんだよ!こっちだって腹減ってるってーの!」
そしてその横に座っているのは猪八戒。妖怪と人間のハーフだということは原作をしっかりと予習済みの私は知っているが、彼自身もあまり話したくはないのかその事について話したことは無い。
赤い髪かー、そっかー、珍しいね。
くらいで留まっている。
「まだ街は見えねぇのか?」
「ははは、ボクに言われましても、まだみたいですねぇ。」
前の座席で運転をしてくれているのは沙悟浄。
細身のイケボ優男だが、暗い過去を持っている。
元々人間だったが、妖怪を殺しすぎたせいで妖怪になってしまった。
事情は知っているものの、これも深くは聞いたことがない。
時間が経てば話してくれるだろうと思っている。
(原作の流れ的にも話す場面は来るはずである。)
そして、さっきから文句しか言わない金髪紫色の瞳、タレ目美人の彼は江流こと、玄奘三蔵法師である。
数年前に再会したあと、主に周りの世話や悟空の世話を中心に気まずい雰囲気を解消して現在に至る。
ちなみに、最後挨拶をしなかったことだけは根に持っているらしく今でも言われ続けている。
光明三蔵はどうなったかなどは、私の心がチキンなせいで全く聞けていない。