第2章 衣食住揃えば生きていけると思うんだ。
今日は江流について話そうと思う。
江流は私がここに来てからすごくお世話になっているが、一応三蔵法師の弟子の1人である。
他の坊主たちと違うところは髪を剃ってないところだろう。
綺麗な金髪に紫色の瞳のタレ目美人で、母親もさぞ綺麗だったのだろうと思われる。
一応、金髪繋がりで、三蔵法師と血の繋がりはあるのかと聞いてみたが全くないと否定された。
まぁ、血は繋がっていないのだが、2人ともなんやかんや言って中が良さそうである。
なぜ急にこんな話をしているのか気になる人もいるだろう。
きっかけはとある坊主たちの話を盗み聞きした所から始まる。
「なぁ、次の三蔵法師はどなたが選ばれるんだろうな。」
「何を不謹慎なことを言っているのだ。」
「しかし、禅奥寺で兄弟子たちを殺して三蔵法師の名を奪ったものがいるそうではないか。」
「そんなの噂だろう。」
「いや、それも他人事ではないぞ。」
「川流れの江流が居るだろう。光明三蔵はあいつを次の三蔵法師にするつもりだという噂をきいた。」
「なんだと。」
「なぜあんなやつを...」
「しかし、今は待つしかないだろう。時がすぎれば考えも変わるはずだ。」
そうだな。とお互いを励まし合いながら坊主たちは散っていくのを見ていた私は...
「お互い傷の舐め合いしてるだけなくせに。」
機嫌が悪かった。
誰もが人の死なんてあまり好きではない話なのに身近な人が死ぬとか、皆殺しとか、聞いていてあまりいい気分ではない。
そう言えば、江流が三蔵法師候補だと言っていたが、あんな金髪タレ目が三蔵法師なんて想像出来ない...
いや、まてよ
金髪
タレ目
意外と美人
......
金髪タレ目美人の三蔵法師が、妖怪3人と西を目指す話を昔見た気がする。