第3章 夜原掃討戦
最深部は、外部とは打って変わってオレンジ色の壁。
そこらじゅうに手すり付きの窓があり、そこから多くの奇妙な服を着た宇宙人やら人間やらが銃や槍などを構えてこちらをうかがっている。
「わわわ、…どうしよう…」
槍はともかく銃なんてどうやってよければいいんだろう。
困ったように阿伏兎を見ると、阿伏兎は肩を上げただけで何も言わず、その代わり神威が答えた。
「いつも通り俺が最初に出る。
何も変わることはない。いつもと同じようにやればいいんだよ、那美」
そ〜〜〜〜いわれても…なぁ…銃は怖いな。
そう言って中央ホールから出ようとした瞬間、轟音が聞こえた。
宇宙船のどこかの壁が大きく壊されたようだ。
「…おやおやおや。相手さんはずいぶん変ってるね。
なるべく短距離戦は避けていきたいものだと思ったけど」
と阿伏兎。
…いや、待って。まだ心の準備ができていないんですが。
そんなことを考えているうちに足音がバラバラと聞こえ出した。
こっちにも来る。
「…こ、こんなのどうですか?
どっかに隠れてて、相手から服をはぎ取って潜入して…内部調査!これだけたくさんの惑星(A〜Zまで)ある中で大ボス探すのって大変だと思うんですよね!?」
と、思いついたことを言ってみたところ。
「採用。おもしろそう」
と神威は軽く採用してくれた。
「今までにない作戦ですな。
というか俺たち夜兎に作戦なんてなかったけど」
と阿伏兎も割とノリノリだった。
「じゃあ俺はここに残るよ。ほかはご自由にどうぞ」
「じゃ、じゃあ私その裏手の倉庫室〜」
神威が来るやつくるやつ全部ぶった押してくれそうだし。
「んじゃ俺はさっきまでいた部屋」
阿伏兎はそう言って自室に戻った。