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イケメン戦国 《短編集》

第4章 「愛らしく眩しい光」明智光秀


小娘がこの時代に来て初めての年明け。
まだ夜も明けていない時間に小娘が不意にこちらを見て、
「光秀さん、明けましておめでとうございます!」
と言ってきたのだ。

「まだ夜も明けていないぞ?」
「いいえ!今、この瞬間に年を越しました!!」

ニコニコと満面の笑みを浮かべて、
舞はそう言って宣言するのだ。

「…そうか。
お前の時代には時間という概念があるんだったな」

そうだった。
500年も経てば、
それくらいのことは分かってしまうのだろう。
そしてそれは、
500年後の人間からすれば『当たり前』でしかないのだ。

「あ…この時代はまだ、
時間を細かく気にしたりしないんでしたっけ。」
「刻という概念はあるが、
500年後のように詳しくは分からんな。
俺たちは朝日が昇れば”朝”だと認識するからな。
まぁだが…そうだな。
明けましておめでとう、舞。
今年もとことんいじめて愛してやろう」

俺は舞の当たり前という認識に乗ってやることにして、
新年の挨拶をしてやる。

「うっ…イジメはほどほどにお願いしますっ!」
「何故だ?俺の楽しみだと言うのに」

あぅあぅ…と何やら嘆きながら、
恥ずかしそうに顔を赤らめる姿は本当に愛おしい。
本人は無自覚なのだからそれは尚更だが。

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