第20章 「愛らしい小娘」/明智光秀
「……い、舞」
「ん……?」
光秀さんの呼ぶ声がして私はそっと目を開けると、
こちらを見下ろしている光秀さんの視線と合った。
「よく眠っていたな」
「あ……ごめんなさい、寝てしまって」
「何、気にするな」
そっと襖の向こうの外の景色を見てみると、
眠ってしまう前は太陽が真上にあったはずが、
今や日が沈みかけていた。
「(もうこんな時間だ……。
それにしては今日は虐められてないような……?)」
「どうした?」
じっと見上げていたのに気付いたのか光秀さんは私に問いかける。
「あ、いえ……いつもならからかってくるのに、
今日はそんなことして来なかったなと思って……」
「そうだな……。
今のお前は普段のお前と違って幼いからか、
からかうというよりも甘やかしたくなる」
私の言葉に一瞬目を見張った光秀さんは、
すぐさま私が知りたかった答えをくれた。
「……っ」
いつもなら苛めてから甘やかす。
ということをしてくるはずが、
今日はどうやら『甘やかす』一択なのだそう。
その答えを聞いて私の頬はじわじわと熱を持ち始める。