第19章 「密かな誓いと幸せを」/織田信長
私としてはそんなつもりは一切ないし、
隠してるつもりでもあるのだが……。
「この時代に来てからのことを思い出したんです」
「ああ……」
どうやら私の言葉の意図に気付いたようで、
そんなこともあったな……と信長様も思い出した様だ。
色んなことがあった。
タイムスリップした先で、
燃える本能寺から無意識の内にこの人を救っていて、
それから何故か気に入られて、
『織田家ゆかりの姫』としての仮初の身分を与えられ、
安土城で過ごすことになって。
五百年後に帰るために囲碁で勝負をして。
たったの三ヶ月だけそう思っていたのに、
いつの間にかこの人の傍にいたいと思ってしまって。
短いようで長かった日々。
あっという間のようで怒涛だった毎日。
だからこそなのかもしれない。
信長様の真意に気付けたから理解出来たから。
戦のない世を創るために、
その優しい心を殺して鬼になれてしまうこの人を間近で見て、
支えたいと思ってしまったのが始まりだった。
きっと私は信長様にとって面白い玩具なんだろうと思っていたから、
いつの間にか抱いていた恋情は、
隠し通そうといつしか心の中で決めていた。