第19章 「密かな誓いと幸せを」/織田信長
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信長様の馬に乗せられて暖かい風を一心に浴びる。
見渡してみれば桜もところどころ咲いていたり、
もう散ってしまっていたりしていた。
そう言えば四月の半ばくらいに花見を皆でしたなぁ。
秀吉さんの気苦労はあの時も絶えなかったけど。
この時代に来て怖いことも恐ろしいことも、
悲しいことも嬉しいことも色んなことを体験した。
ただ見ただけでは知り得なかった感情。
この時代を生きる人々の生活や想い。
色んなことを知ることができた。
本来なら存在するはずのない私というイレギュラー。
こんな経験はできないからと、
佐助君は何だか活き活きしてたなぁと、
大好きな人の体温を背中から感じながら、
今までの事をしみじみと思い出した。
「どうした?」
不意にどこか不思議そうに、
苦笑いをしている様な声で信長様が覗き込んできた。
何か考え事をしているのが顔に出てたのだろうか?
光秀さんにも言われたことだが、
どうやら私はよく顔に考えや思いが出ているらしい。