第15章 「その迷いを教えて」/織田信長
「そういうことになりますね。
舞さんには、皆さんに心配をかけたくないから
黙っていて欲しいと頼まれていました」
彼奴はいつも……。
迷惑をかけたくないからと、
自分の身が危険であっても他人を気遣うのは、
相変わらずいつも通りだと呆れてしまうと同時に、
危険だというのに何も言ってこない舞に怒りが湧く。
「ふむ、よく分かった。
情報を提供してくれたことは感謝するぞ」
「いえ、とんでもない。
一応その犯人に関してはこちらでも調べてみますので」
そう言うと佐助はすぐに天井裏へと消えていった。
相変わらず神出鬼没な奴だ……と面白く思いながら、
帰ってきた舞になんてお仕置きしてやろうかと密かに考えてみる。
「(だが、何故佐助には相談したのだ……?)」
恋仲であるのは俺であろう。
そう思ってしまうと、
不思議と胸の辺りがモヤモヤしだしてしまう。
これが何なのか分からないまま時は経ち、
夕暮れ時に変わっていた。