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イケメン戦国 《短編集》

第15章 「その迷いを教えて」/織田信長




「まさか信長様が、俺に用があるとは驚きでした」

舞が針子仕事に出向き、
天主を留守にしている間に、
俺は天井裏に潜んでいたであろう佐助を天主に呼び出していた。

「よく秀吉が建てたこの城に忍び込めるものだな」

安土城でもそうだったようだが、
舞と同じ戦のない世界から来たにしては、
あまりにも手慣れなものだと感心する。

「まあ、大変ではありましたけどね。
とはいえ、謙信様に鍛えられましたから」

無表情だが、
そこに少し誇らしげな笑みがあることは何となく分かる。
こやつは舞と同じように、
敵側にも情けをかけるような男だということも、
少しの間だけ合間見えたときに分かった。

「前置きはこれくらいにして、何かありましたか?」

佐助がズレた眼鏡の縁をつまんで引き上げ、
真っ直ぐにこちらを見つめる。

「最近、舞が何やら悩んでいるみたいでな。
秀吉達も知らないようだが貴様は何か知っているか?」
「ああ……そういえば。
最近ストーカーに付け狙われていると言っていました」

佐助は俺の言葉に関して少し考えた後、
少し眉を下げてそう告げた。

「ストーカーとは何だ?」
「特定の個人を必要以上に付きまとう人物のことを言います」
「つまり舞は誰かに好意を抱かれ、
そやつに追いかけられていると?」

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