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イケメン戦国 《短編集》

第2章 「鈍感なあの子」伊達政宗


キス、されてる??
私の頭が今の展開に追いつけないままでいると。

「なぁ、舞。
俺は本気なんだが、お前はどうなんだ?」

いつもらしかぬ真剣な顔に私は少したじろいでしまう。
……私は政宗をどう見てるんだろう。
不思議とキスをされたことに”嫌だ”なんて思わなかった。

「あ、あの…政宗……?」
「ん?なんだ?」
「私、今までその…恋愛面で考えたことなくて…。
政宗のことどう思ってるなんて分からないけど、
何故か不思議なことにね、
さっき口付けされても、
嫌だなんて思わなかったんだよ…なんでだろ?」

私は真っ直ぐに政宗が伝えてくれたように、
自分の中で考えついたことを正直に伝えてみた。

「…ふっ、くくっ」
「ちょっ?!なんで笑ってるの!?
私大真面目なんだけど!!」

頬を包んでいた両手が肩にまでおり、
肩口で止まるとまるで支えにするかのようにギュッと掴まれて、
するとすぐに政宗が笑いだした。
私はなぜ政宗が笑っているのか分からなくて、
ずっと笑っている政宗に声を上げる。

「お前さ、鈍感過ぎるだろ。」

政宗が不意に顔を上げたかと思えばそう言われた。
『鈍感』とは何に対してなんだろうか?
首を傾げる私に政宗は、
「そろそろ自分の気持ちに気付いたらどうだ?」
と、言われてしまった。

そんなことを言われても私は何に対して鈍感なのか、
自分では分からないのだ。
政宗は『本当に気付かないのか?』と、
逆に不思議そうな表情をしている。

政宗に「お前はどう思ってるんだ?」と言われたことを思い出し、
深く深く…思考してみる。
私は………政宗のこと好き、なんだ。

今まで政宗の傍にいて何故かドキドキしたことがあった。
でもどうせすぐに居なくなる存在だからと、
恋愛感情を封じ込めていたんだ。
だから周りから受けた好意の目線も、
全く気付かないまま、時だけが過ぎていっていた。
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