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イケメン戦国 《短編集》

第2章 「鈍感なあの子」伊達政宗


てんやわんやとタイムスリップして早二ヶ月。
この時代での暮らしにも慣れてきて、
元の時代に帰れるのはあと一ヶ月後。
それまでこの戦続きのこの時代を乗り越えなければならないわけなんだが。
今日は何故か政宗に呼ばれて御殿に来ている。
なにかおかしなことでもしただろうか?

「美味しいね、これ」

来て早々、
何故かお饅頭を出され、
とりあえず目で『食べろ』と言われてしまったので、
大人しく食べているのだが。
政宗は食べず何故かこちらをじっと見つめている。
流石に恥ずかしいので目を逸らす。

「こら、目を逸らすな」
「だだ、だって…!」

面白そうにニヤリと笑って政宗に『逸らすな』と言われた。
カッコいい容姿をしている人に、
食べているところをガン見されるのは至って恥ずかしくて居ずらい訳で、
無意識に目だけでなく顔ごと逸らしていたようで、
両頬を優しく包まれて無理矢理政宗の方へ向かされてしまった。
私の食べているところなど見ていて楽しいのだろうか。

いつまで経っても何故かそのままで、
流石に恥ずかしくて顔がパンクしそう。
誰かこの状況を説明してほしいな~なんて、
現実逃避しているといつの間にか、
鼻先が触れる辺りまで政宗の顔が迫っていて、
これには心底ビックリした。
なんでこんな近いの?!!

「ま、まさ…政宗?」
「なぁ舞。
俺は前からお前のこと、愛してるって言ってるだろ?」
「え…。あ、あああれはただ単の戯れでしょ??」
「そうか…そう見えるか……。」

間近過ぎる距離にドキドキしながら
政宗との会話を何とか成立させていると──。
急にグッと近くなったかと思えば、
その唇で私の唇を塞がれてしまった…。え??

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