第9章 「星空の下で愛らしい誓い言」/豊臣秀吉《BD小説》
「じゃあ、誓おう。
この満天の星空の下でお前に。
ずっとずっと傍で、隣にいる」
「うん……私も。」
五百年後からこうしてタイムスリップし、
不安と恐怖に駆られながらも、
こうして大好きだと思える人に出逢えた。
帰るつもりであったはずなのに、
いつの間にかこの時代に…この暮らしに馴染んでしまって、
今では怖いと思っていた人も、
ぶっきらぼうで関わりたくないと言わんばかりに避けられていた人も、
今では私の兄代わりをしてくれている。
ここには大事な人ができてしまった。
遠くもう帰ることもできないほどに離れた私の故郷まで繋ぐこの時代に、
私は大好きな人と生き抜くことを決めた。
これから続いていくであろう幸せな日々を想って、
私は五百年後の故郷へ別れを告げた───。
【the end】