• テキストサイズ

イケメン戦国 《短編集》

第9章 「星空の下で愛らしい誓い言」/豊臣秀吉《BD小説》


安土にも暖かくなる季節が巡ってきた。
ついこの間までは、
寒すぎて外に出るのが憂鬱だったのに、
徐々に暖かな春の気配を感じる。

夜遅くにではあるけれど、
久々にいつも忙しくしている秀吉さんの部屋に訪れた。
秀吉さんは私がいないところでは煙草を吸っている。

秀吉さん曰く落ち着くのだそう。
だけど最近になってからは吸う必要もなくなったと言っていた。
理由が分からなくて聞いてみたら、
「お前がいるから」と真っ直ぐに見つめられて、
言われたことを覚えてる。
その言葉にたまらなく嬉しかったことも。

秀吉さんにとってのすべては信長様だった。
前に聞いた秀吉さんの過去。
自分の人生を変えてくれた方だと言っていた。

実際に信長様に命じられた仕事は絶対にきちんと完璧にこなすし、
褒められると泣くほどに感激していたのを見たことがあった。
私はそんないきいきとしている秀吉さんを見るのがとっても好きだった。

「秀吉さん、入るよ?」
「あぁ」

中から秀吉さんの声がしたので、
私は襖を開けて部屋の中へと足を踏み込む。

「どうかしたのか?」
「星を見に行かない?」

こちらを振り返って首を傾げていた秀吉さんに、
私は唐突だろうなと思いながら提案してみる。

/ 78ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp