第7章 「何度も」明智光秀
小娘と久々に城下町に出て、
必要なものなどを買い出しに行くことにした。
大半の買い物が終わってから、
休憩のために茶屋へ入りお茶とみたらし団子を頼み、
舞から俺がいなかった時の話を聞いた。
政宗に言い寄られたり、
信長様に遊ばれたりと、
相変わらず気に入られているようで、
俺の嫉妬心が湧き上がってくるのがわかる。
しばらくこちらをジーッと見つめている反物屋の若旦那だろうか?
その視線は俺ではなくどうやら小娘に向いているらしい。
まったく……こやつは俺の知らぬ間に、
次々と人をたらしこんでいるらしいな。
と怒りが湧いたが、
そもそもこの純粋で分かりやすい小娘が、
自覚しているわけはないだろうと思い、
とりあえず視線を裂くために、
殺意と怒気を込めた視線を返してやった。
『これは俺のだ』と分からせるように。
すると、
そそくさと逃げるように店の中に入っていった。
ヤレヤレだ……とため息をつく。
小娘はこちらを見て、
心配そうな顔をしつつ首を傾げている。