第7章 「何度も」明智光秀
唐突だが俺は最近気になっている女の子がいる。
その子はよく反物や糸を買っていってくれる。
どうやら奉公先で、
針子として住み込みで働いているらしい。
髪は美しいくらい艶やかな長い黒髪で、
背は普通の女性より高くて、
でも背に似合わないくらい細身の体をしている。
着物の上からでも、
彼女の体型は立派なものだということがわかる。
しかもとても優しくて感情がくるくる変わって、
すごく素直で俺にとってまさに理想の子だ。
彼女のことはよく城下町で会う。
腕に大切そうに抱えている様子を見て、
自分で依頼主に持って行っているようだ。
そして最近になって分かったことは、
よく秀吉様や政宗様といるところを見かけた。
御二方とも彼女が荷物を持っている時は、
それをとって持ってあげているところを見かける。
そして今日は───────。