刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第41章 神酒
必死になって指を動かしていると、空気がふわりと動き、肌を掠めた。それと同時に瞼の裏に感じる微かな光に違和感を覚え手が止まる。
恐る恐る目を開けると、いつの間にか体に被さっていた布団が取り払われていた。
そして戸惑いを含んだような低い声が降ってきて心臓が飛び上がる。
「っ、あんた…自分で慰めていたのか…」
そこには腰にタオルを巻いただけの大倶利伽羅さんがいた。
急いでシャワーを浴びてきてくれたのだろう。髪も水が滴り、体にもまだ心なしか雫が残っている。色気が凄い。早く…早く抱いて欲しい。
だけど…我慢出来ずに自慰をしていたのを見られてしまった。恥ずかしくて居たたまれなくて、どうしたらいいのかわからない。
こんな情けない姿見られたくないのに、できる事なら逃げ出したいのに体に力が入らなかった…
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遠征呼び戻し鳩が使われた。
広間に行けばわかるとしか答えない蜻蛉切と蜂須賀に苛立ちながらも、大倶利伽羅は足早に歩みを進める。
広間に着くと、燭台切が大倶利伽羅に駆け寄り状況を簡潔に説明した。
それがどうも信じ難くて、大倶利伽羅は彼女の体にすっぽり被せられている山姥切の布を性急に捲り上げた。