刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第38章 夏祭り
「え!祭り?やったぜ~!皆に知らせてくるな!祭りだ祭りだ~!」
伝えた途端愛染くんはその場で弾むようなポーズを取り、嬉しそうに広間の方向にあっという間に消えていく。
その数分後には本丸全体に夏祭りのことが知れ渡っていて、短刀の機動力に改めて驚かされた。
「ねえねえ、これなんか可愛くない?絶対あるじさんに似合うよ」
執務室のパソコンの画面上で浴衣を選んでいると、乱ちゃんが早速一つの浴衣を指さした。
「え、私に似合うかなぁ…なんかちょっと照れる…」
「ボクが保証する。絶対に似合う!それにほらっ恋する浴衣って書いてあるよ!あるじさんにぴったり!ね、これにしよ?」
恋する浴衣…なんだか恥ずかしくて決めかねていたけど、半ば強引に乱ちゃんに勧められ結局この浴衣を買う羽目になってしまった…
――そして夏祭り当日
この日は夕方までに業務を終わらせて夕飯は現地で各自取ることに。因みにお祭りに興味がない刀は、留守の間の本丸警備に買って出てくれた。
短刀ちゃんたちは今日までの間、お祭りに行ったらわたあめやかき氷が食べたいとか、ヨーヨーすくいがしたいとかポスターを見ながらそれはそれは嬉しそうに話していた。私も皆とお祭りに行くのが楽しみで、日々業務に勤しんだ。