刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第37章 修行
ちゅう、と強く吸われた途端にはっと我に返る。
「あ、痕つけちゃダメっ!」
「なぜ…」
「そこだと見えちゃう…から」
「別に見えても今更だ…咎める連中は誰もいない」
確かに大倶利伽羅さんの言う通り私たちの事は本丸の皆が知っているし、体も重ねていることは神気でもうばれている。
だから首筋に、見える場所にキスマークがあったところで見て見ぬふりをされるだけなのかも知れないけど、それでもあからさまなのはやっぱり恥ずかしくて。
抵抗したものの、大倶利伽羅さんは強引にわざと見える場所に沢山の痕をつけていった。いつもは絶対にそんな事しないのに…
…ぢゅうっ
「あ、…ふっ…」
吸われる度にチクンと痛みが走り、体が震えて吐息が漏れる。それは大倶利伽羅さんの気が済むまで何度も繰り返し行われた。
今日はどうしたんだろう、と思う反面…
そういえば、私からは付けたことが一度もないことに今更気付く。そして自分も大倶利伽羅さんにキスマークを付けたくなった。
「あ、の…」
「…どうした」
「私も…私も付けたい!!」
「……は」
何を言っているのかわからない、というような表情の大倶利伽羅さんの肩に顔を寄せる。
私が付けられたのと同じ場所に付けるのは抵抗があったから、学ランを少し捲りVネックの白いシャツを引っ張ってずらしてから、肩口に唇を押し当てた。