刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第36章 嵐の夜
「伽羅坊の奴、この嵐にかこつけて主に夜這いをしかけたんだな…なかなか目ざとい奴だ。そんなに欲求不満だったのか…」
「まあ…近侍も伽羅ちゃんから一期くんに交代したし?お互い一つ屋根の下にいるのに一緒に寝られないのは辛いと思うよ…いくら伽羅ちゃんでもそりゃ溜まるよ…」
燭台切は布団を畳み、押し入れに片付けているが、鶴丸は相変わらず布団の上でゴロゴロしている。
「もうっ、鶴さん起きてよ」
「でもさー、恋人同士なのにいつまでも近侍が隣の部屋で待機してんのもおかしくねーかー?せめて夜だけでも近侍を下がらせるとか出来ねーもんかなー」
とっくに布団を片付けた太鼓鐘が、胡坐をかきながら不満そうに口を開く。それを聞いた燭台切もそれもそうだな、と太鼓鐘を見て頷いた。
「僕もそう思うけど…それは主ちゃんが言わないと難しいんじゃないかな…」
「なんでだよ、俺たちから皆に話したらいいんじゃねーの?伽羅と主を一緒に寝かせてやってくれって!」
「主が恥ずかしがると思うが…まあその内伽羅坊が好きな時にやれない事に不満を感じて話出すんじゃないか。ああみえて中々の性欲らしいからな!ははっ」
伊達部屋では大倶利伽羅の涙ぐましい努力を知らない鶴丸達が、好き勝手話していたのだった……。