• テキストサイズ

刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第36章 嵐の夜


「今も…来てくれた。伽羅ちゃんは私が困ってる時とか、いつも傍にいてくれる…今の私がこうしていられるのも伽羅ちゃんのお陰だね…」


大倶利伽羅がいてくれたから、彼が何も言わずにいつも傍にいてくれたから乗り越えられた。

あの日、泣くのを我慢していたら、自分の気持ちに蓋をして感情を吐き出せずに我慢していたら…きっとどこかでおかしくなっていたかもしれない、そう思ったのだった。


「大袈裟だな…」

「そんな事ない…伽羅ちゃん、!!ひやああっっ」


近くで雷が落ちたのか、その音に反応して彼女が叫んだ。必死に大倶利伽羅にしがみつくその姿に、愛しさがこみ上げる。

それと同時にこんな状況でも欲望に忠実な体と、自身の浅ましい思考に罪悪感を抱いた。


「ごめんね…伽羅ちゃんも眠れないよね…」

「俺の事は気にするな…ずっと抱いててやるから安心して寝ればいい」

「ありがとう…やっぱり伽羅ちゃん優しい…」


さっきまでの躊躇はなく、大倶利伽羅はしっかりと彼女をその腕に抱き、触れるだけの口付けを額と唇に落とし目を瞑った。

彼女も温かい彼の温もりに安心して目を瞑った。


 …

 …


 ――翌朝


「伽羅のやつ、主の部屋で寝たんかな~?」

「ここにいないってことはそういう事じゃないかな?」


/ 1260ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp