刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第36章 嵐の夜
「今も…来てくれた。伽羅ちゃんは私が困ってる時とか、いつも傍にいてくれる…今の私がこうしていられるのも伽羅ちゃんのお陰だね…」
大倶利伽羅がいてくれたから、彼が何も言わずにいつも傍にいてくれたから乗り越えられた。
あの日、泣くのを我慢していたら、自分の気持ちに蓋をして感情を吐き出せずに我慢していたら…きっとどこかでおかしくなっていたかもしれない、そう思ったのだった。
「大袈裟だな…」
「そんな事ない…伽羅ちゃん、!!ひやああっっ」
近くで雷が落ちたのか、その音に反応して彼女が叫んだ。必死に大倶利伽羅にしがみつくその姿に、愛しさがこみ上げる。
それと同時にこんな状況でも欲望に忠実な体と、自身の浅ましい思考に罪悪感を抱いた。
「ごめんね…伽羅ちゃんも眠れないよね…」
「俺の事は気にするな…ずっと抱いててやるから安心して寝ればいい」
「ありがとう…やっぱり伽羅ちゃん優しい…」
さっきまでの躊躇はなく、大倶利伽羅はしっかりと彼女をその腕に抱き、触れるだけの口付けを額と唇に落とし目を瞑った。
彼女も温かい彼の温もりに安心して目を瞑った。
…
…
――翌朝
「伽羅のやつ、主の部屋で寝たんかな~?」
「ここにいないってことはそういう事じゃないかな?」