刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第35章 お風呂での秘め事
「寂しくない…と言ったら嘘になるけど…、でも今は伽羅ちゃんも本丸の皆もいるから…大丈夫だよ…」
「そうか…」
そう言って後ろからぎゅっと強く抱き締められた。
大倶利伽羅さんがいつもよりぬるめに入れてくれたお湯のおかげで、二人くっついていても暑くはない。きっと私が酔っていたから気遣ってお湯の温度を低く設定して入れてくれたんだろうなと思った。
星空も一通り眺めたので、今度は映像を海の生き物に切り替えてみる。すると、浴室が瞬時に海の中にいるかのように映し出された。夜空とは違う雰囲気でこちらもとてもロマンチック。
「あれはなんだ?」
「あれ?イルカの横の?」
「いるか…?」
「そっか、わからないよね。えっとね、あの大きい可愛いやつの隣の?」
大倶利伽羅さんが海の中の生物なんて知るわけないよね。指を差して聞くと、すぐ後ろからああ、といつもの返事が返ってきた。
「あれはタツノオトシゴ!!魚なのに、竜みたいだよね。海の中の伽羅ちゃんだねっ」
「あれで魚なのか」
「そう、不思議でしょ?いつか一緒に水族館行って実物見たいね!」
大倶利伽羅さんの腕に巻き付いている立派な龍をなぞって「でも、現世に行くときはこの龍は隠さなきゃいけないんだよね…格好いいし私は好きなんだけどなぁ…」そう呟いていると突然うなじに唇を押し当てられた。