刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第35章 お風呂での秘め事
あちらの本丸で気を良くした刀剣達に随分と足止めされ、すっかり帰りが遅くなり本丸も静まり返っている時間に三人は帰宅した。
「あ、あるじぃっ!」
玄関で大倶利伽羅におぶられたままの彼女の靴を燭台切が脱がせていると、忙しない足音と共に長谷部の声。確か光忠が本丸に遅くなると連絡した時に出迎えはいらないと念を押しておいたのに…と、大倶利伽羅は面倒臭そうに足音のする方へ視線を向けた。
「主!!遅いから心配したんですよ、お帰りなさいま!?何故おぶられているんですか??あちらで何か問題でも!?」
「あ~!へし切さんだぁ!えへへ、ただいまぁ」
「主?…へ、へし切で、すか……あ、主酒臭いですね…」
上機嫌な主に酔っているだけかと安心したものの、呼ばれたくない名を呼ばれ長谷部は少し青ざめる。そして燭台切と大倶利伽羅を睨み付けた。
「貴様ら…こんなになるまで主に酒を飲ませたのか?一体どういうことだ。一から説明してもらおうか…」
明らかに機嫌が悪い長谷部。
返答によってはただじゃ済まさんぞ、と言わんばかりの表情に、燭台切と大倶利伽羅は同時にため息をこぼした。