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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第32章 山姥切国広は見た!!


「山姥切さんは食べないのですか?」

「俺は後でいい」

「そうなんですか、それではお先に頂きますね…すみません」


五虎退の柔らかな笑顔に俺の心も大分落ち着いてきた。

そして五虎退が食べ終わり、俺は再度執務室に向かった。さすがにもう大丈夫だろう。しかし何故俺がこんなにも気を使わねばならないんだ。…まあ、主のためだ、仕方がないか。

執務室前に着くと今度は、クスクスと主の笑い声。楽しそうなその声に安堵し、襖を開けると…


「…」


まだ二人は身を寄せあっていた。襖を開ける前に声をかけておけば良かった…
大倶利伽羅は相変わらず主に口吸いしている。戯れのような口吸いだったのですぐに終わるだろうと暫く待っていたが…

中々終わらない…さすがにもういいだろう!
それに大倶利伽羅は俺の気配に気が付いている筈だ。俺が写しだから構わず続けているのか?


「おい…取り込み中すまん…もういいか」

「…ッ!!」


主が急いで大倶利伽羅から離れ俺に文句を言う。理不尽だ…俺はここに誰も近付かせないように尽力していたというのに。

先の件で憔悴しきった俺は、また縁側に座りボーッとしていた。


「わあああ!!国行!」


蛍丸の叫び声に、明石を畑に待たせていた事を思い出し、急いで畑に向かうと、そこには熱中症で倒れている明石の姿があった。


すまん…


水筒を持っていくのをすっかり忘れていた…



山姥切side、終
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