刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第30章 ある日の出来事 4
「国永…」
「ん?なんだ、伽羅坊。今大福食ってるから後にしてくれ。歌仙から分捕ってきたんだ。何でも老舗の大福らしくてこれが最後の一個らしいぞ!残念だが伽羅坊の分はないんだ」
「つ、鶴さん…」
「みっちゃん…やっべえって」
光忠と貞が察したのか、国永を置いてそそくさと部屋を出ていった。呑気に大福を頬張っている国永に近付く。
「これはなんだ…」
「あ゙…、、、それはだなっ、あれだあれ!てっきり主と伽羅坊が」
「ふざけるな」
皿に残っている食べかけの大福を手に取り口に放り込んだ。
「あ゙あ゙!!俺の大福がっ!俺が歌仙からどれだけ苦労して手に入れたと思ってるんだ!」
「そんなことは俺の知ったことではないが……ふ、確かにうまいな…」
「……ッ!!酷いぞ!俺の楽しみを!!八つ当たりは良くな、…」
…
「…なんだ」
「………いや、なんでもない、悪かった。伽羅坊が一番辛いのに…断られたんだもんな、男として……辛いよな…俺としたことが大福の一つや二つで…」
「だからそれは違うと言っているだろう」
「すまなかったな…」
…
…
「だから違うと……………………くそッ……もういい」
大倶利伽羅side、終