第29章 エイプリルフール？

「あのね、鶴丸…今5月なのね？」

「ああ、そうだぞ。それがどうしたんだ？」

「エイプリルフールって4月1日なの」

「は？だが、昨日乱が見ていた昼ドラとやらの後の番組で、今日がエイプリルフールと間違いなく言っていたぞ？」


あ～、そういうことか…
乱ちゃんの観てる昼ドラと言えば録画したやつだったはず。鶴丸は録画とは知らずに勘違いしたのか。そんな鶴丸が可愛く思えた。


「鶴丸、あのね…」


鶴丸にその旨を伝えると、一瞬固まり頭を抱えた。
余程ショックなのか、そのままガシガシと頭を掻いている。


「俺の勘違いだったとは…しかも一ヶ月以上も過ぎていたのか」


暫く残念そうにしていた鶴丸だったけど、もう割りきったのか、お味噌汁をぐいっと飲んだあと私の方を見てニヤニヤしだした。

なんか、嫌な予感…


「きみ…」

「な、何かなぁ」

「伽羅坊の所へ行っただろ？」

「鶴丸があんなこと言うから行ったけど、それが何か」

「口吸いくらいはしてきたか？」

「は！？」

「ん？その様子だとそれ以上の事をされたか…？やっとか！？」

「な、何言ってるのっ！？やめてっ」