刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第1章 審神者になる
「君が僕の主かい?どうぞ宜しくね」
先を越されてしまい、ハッとして慌てて答える。
「は、はい!こちらこそ宜しくお願いします」
「俺はこいつの初期刀の山姥切国広だ。何だその目は、写しの俺が初期刀だというのが気に入らないと?」
「いや、そうじゃないよ、随分可愛い主ちゃんだね」
「す、すみません!頼りないかも知れませんが頑張りますので宜しくお願いします」
燭台切さんはニコッと微笑んでいる。その爽やかな笑みといい、その出で立ちといい、ホストみたいだと思ってしまった。
──それから二振りとの生活が始まった。
太刀の燭台切さんは面倒見が良くて愛想も良く、グイグイと私のパーソナルスペースに入ってくるので、初めはそのペースについていけず戸惑ってばかりだったけど、彼が来てからは出陣も遠征も随分楽になった。
お料理も美味しくて感動した。
出陣もあるのに毎回ご飯まで作ってもらうのは申し訳なくて、何度も私が作ろうと試みたがその都度、僕がやるからと断られてしまった。
それに私が作るよりずっと美味しいので、私はお手伝い役に徹する事にしている。
就寝時は、これまで山姥切さんと同じ部屋で寝ていたけど、その内自然と燭台切さんも加わり、3人で布団を並べて寝た。