刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第27章 反動
「まだ熱があるんだ、力が入らなくて当然だ…俺が食べさせてやる」
「えぇっ?」
「……なんだ」
「いや、その…恥ずかしい…から…」
「そんな事を言っている場合ではないだろう」
「でもっ」
バレンタインの出来事が思い出されて、途端に恥ずかしくなる。じっと見られながら食べさせられてお食事とか、無理、無理ぃ~!
「大倶利伽羅さんも食べなきゃだし、私は自分…」
大倶利伽羅さんの有無を言わさないような眼差しの強さに、思わず言いかけていた言葉を飲み込んだ。
「お、お願いします…」
「…あぁ」
恥ずかしくて堪らないけど、彼の圧に抗えなかった!
大倶利伽羅さんが、蓮華でおかゆを掬い、丁寧にふうふう冷ましてくれて私の口に運んでくれる。
戸惑いながらも口を開けると、そっと口中に蓮華を含まされ、丁度私の一口分、多くも少なくもない量が私の口に入る。
そして優しいおかゆの味が口内に広がった。
「食べられそうか」
「うん、美味しい…」
ゴクンと飲み込むと、丁度いいタイミングでまた差し出される。気恥ずかしさに耐えながら、また口を開く。
大倶利伽羅さんのご飯が冷めてしまうので、合間合間に大倶利伽羅さんにも自分の分を食べて貰った。