刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第27章 反動
大倶利伽羅は迷わず浴衣をさっと取った。その方が着せやすいと思ったからだ。
深呼吸をして、彼女の身体に被さっている肌布団をそっと捲った。彼女はまだ洋服を着たままだ。
幸いにも上半身の服はボタンだった。これがTシャツだったら脱がすのが更に大変だっただろう。
まず顔と首、両手をそっと拭いた。
ボタンを外す前に、服の裾を掴み少し上に上げ、その下から手を潜らせてお腹付近だけでもタオルで拭く。
そして、ボタンをゆっくり一つ一つ外していく…
一つ外れる度に、隙間から彼女の肌が露出していく光景に思わず目を逸らした。
なんとかボタンを全て外し、そっと服を開くと沢山の所有印が大倶利伽羅の目に留まり、慌てて元に戻した。
「…っ」
記憶にはないが、この所有印は間違いなく己が昨日付けたものだ。それはお腹から胸の膨らみまで続いていて…
無理矢理付けたという罪悪感に苛まれながらも、再び服を開きしっとり汗で湿っている肌を、お湯で温めたタオルでそっと拭いていく。
「……はぁ…はあっ」
彼女が浅い息を繰り返している。
早く拭いて新しい浴衣を着せてあげなければ、最悪風邪まで引いてしまうかもしれない。