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刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~

第27章 反動


「おーく…りから…」


体がもう限界らしい。
頭の芯がぐらっと揺れて側にいる大倶利伽羅さんにもたれ掛かった。

ふわりと香る、大倶利伽羅さんの大好きな匂い。

……じゃない

何かが違う。

ちが、う…にお、い…?

そう思ったときには、もう体が重く動かなかった。



**********



一期一振は主と共に押し入れの中に長い時間隠れていたが、なんだか主の様子がおかしいのではないか、と不審に思っていた。

しかし一期は太刀、夜目が利かない。
主の表情を探ろうにもこの暗闇の中では読み取れずにいた。

気安く触る訳にもいかず声をかけると、主は「おーく…りから…」と一期一振に向かってうわ言のように呟いた。

大倶利伽羅殿のことか?聞き間違えではなく確かにそう聞こえた…

何故彼の名を?たまたま夢でも見ておられるのだろうか。それとも広間に彼が来たのか?
様々な憶測が飛び交うなか、ドンと一期の肩に重みがかかった。

主が寄りかかって来ている。
寝てしまわれたご様子。やはり、夢を見ておられたか…大倶利伽羅殿が主の夢に…羨ましい限りですな…

そして主との距離に心臓がドキリと高鳴ったのも束の間、主の体が熱い事に気が付いた。


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