刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第26章 瘴気
胸を叩いても全然効いていない…怪我をしていると思うと強く叩けないのも要因の一つだった。
すると突然大倶利伽羅さんの手が服の中にするりと入り込み、背中をまさぐった。ひやりとした感触に体がびくつく。
「ひ…ッ!」
彼の手はいつも温かかった。今日はこんなにも冷たい…
皮手袋をしたままのゴツゴツした大きな手がさわさわと背中を這いずり回り、もう片方の手は服の上から胸を触り、円を描くようにもみしだく。キス以外の事をされるのは初めてだった。
「……ッ!!…んーっんー!」
「…ッはぁっ」
ちゅぱっとやっと唇が解放されて、胸を揉みながら彼の唇が今度は私の首筋に触れ、ぴちゃ…と舌で舐めあげられた後、がぶっと噛まれた。
「い…っ」
噛まれた部分がじんじんする。
その間にも大倶利伽羅さんの腕の中から抜け出そうと、必死に藻掻くけど全く意に介さない。
首筋にしゃぶりつき、背中にある手は止まることなく肌の上を撫でながら、きつく私を抱き寄せるのをやめない。
「…おおくりから、お願いやめて」
こんな所を他の刀に見られる訳にいかないので、下手に大きな声を出せなかった。