刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第25章 真夜中の出来事
「ちょっと待ってくれないかい」
「な、慣れ合うつもりはない…」
「逃げられると思ってるのか?お嬢さん。存分に慣れ合ってもらおうじゃないか」
「群れるつもりも、「往生際が悪いぞっ」ひえぇぇ」
鶴丸は、私の腕を掴んだまま私室とは真逆の方向に歩いていく。そして広間から離れた場所の縁側に連行された。
「あの、私なんかに気になさらず楽しんで来たらいいですよ。ね?ね?ほら、鑑賞会終わっちゃうよ?」
「きみも男女のまぐわいに興味があったんだなっ驚きだぜ!」
「ち、違う!目が覚めちゃって厨にお茶でも飲みに行こうって思ったら…あんな場面に出くわしちゃったの!見たくて観たんじゃないもんっ!逆に私は被害者なのです…」
言い訳を試みるも、疑いの目でこちらを見てくる。
全てを見透かされているような気がした。
そして私はしぶしぶ白状した。
「すみません、ちょっと興味本位で…観てしまいました。それと誰が観てるのかなぁってついつい気になっちゃって、ですね…」
「誰がって…きみが気になるのは一人しかいないんじゃないのか?」
「あ…そ、そうですね、ごもっともです」
「伽羅坊なら部屋で大人しく寝ているぞ」
「あ~、うん」