刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第23章 バレンタインデー
大倶利伽羅さんがオーブンを覗こうとしたので、慌てて「まだ見ちゃ駄目~!!」と彼の背中に抱き付いて止めてしまった。
大倶利伽羅さんは固まっている…
その様子に国広くんが、私達を凝視していて。
腕を掴めば良かったのに、咄嗟に抱き付いてしまった。国広くんの前だというのに!!なんて恥ずかしいことをっ!ギョッとして直ぐに離れたけどもう遅い…。
「…」
「え、えっと、これは…」
「そういうことか…このハートのは大倶「わあああ、それ以上言わないで~」」
恥ずかしすぎて国広くんの声を遮った…
国広くんは何かを察したような顔をしている。
「あんた達いつからだ?」
「…」
「定例会の日…からだ」
大倶利伽羅さんが国広くんに静かに答える。
「そうか…なんとなくだが…そうかなとは思ってはいた」
「国広くん、黙っててごめん…」
「謝ることではないだろう。それに…あんたはずっと大倶利伽羅を好いていただろ?」
「え゛…」
さすが初期刀くん。私の密かな想いにしっかり気付いていたみたいです。頭が下がります…それに本人の前ではっきり言われて恥ずかしすぎます。
大倶利伽羅さんは特に表情を崩すことなく私たちの会話を聞いている。