刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第23章 バレンタインデー
「鶴さんがきっかけを作って僕はそれに乗っただけだし、後は伽羅ちゃんがちゃんと動いてくれたからね。本当によかったよ。さて、僕も何か手伝おうか!」
「大丈夫だよ、光忠は休んでっ」
「大丈夫じゃないよ、刀剣全員分作るつもりだよね?僕にも手伝わせて」
「そうなんだけど…これは私が作らないと意味がないからっ」
光忠は私の頭を優しく撫でて、そっか、と言い私の手元を眺めている。
料理上手な光忠に見られていると緊張してしまう。
「光忠…そんなに見られると手元が狂うよ」
「ごめんね、主ちゃんとこうして二人になるの久々だから、嬉しくってね」
光忠も夕餉の下ごしらえの続きをしながら話し始めた。
私は溶かしたバター、卵黄、砂糖、小麦粉、アーモンドプードルを、ボウルに順番に入れながら混ぜる。
「主ちゃん、伽羅ちゃんとはうまくいってる?」
唐突な質問に振るっていた小麦粉を落としそうになった。
「え?」
「ほら、伽羅ちゃんは言葉足らずな所があるからね、僕としては少し心配なんだよ」
確かに大倶利伽羅さんは余り多くの言葉を話さないけど、肝心なことはちゃんと言葉にしてくれる。