第23章 バレンタインデー

丁度クッキーが5～6枚入るくらいの小さい半透明の袋で、可愛い桜の花びらがプリントされている。
それにシール付きなので簡単に包装出来るタイプだ。


「兼さん、これ可愛くない？」

「お、いいねぇ、いいもん選ぶじゃねーか」

「バレンタインのラッピングなのに、受け取る側の兼さんに意見求めちゃってごめんね」

「いいってことよ、肝心なのは中身だからな」

「失敗したらごめん…」

「期待しないで待ってるよ、なんてな」


クッキー用の袋は決まったから、後は大倶利伽羅さん用の箱を選ばなきゃとどれにしようかと迷っていたら、兼さんが箱も必要なのか？と聞いてきた。
慌ててこんのすけの分！と誤魔化した…。

「あ！」

この箱可愛い！。
小ぶりのケーキ用の箱だけど、透明な箱でケーキを乗せるトレーは外面が赤で内面が金色。無地の箱よりおしゃれだ。
この箱にガトーショコラを入れたら、それなりに見えそう…

光忠みたいに上手には出来ないと思うので、せめて箱で綺麗に見せなくては…

兼さんはあまり詮索してこないので、そのままその箱とクッキーの袋をレジまで持って行った。


これで準備万端だ！！