刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第22章 御手杵は見た!!
俺は三名槍が一本、御手杵だ。
この本丸には割と遅く来たほうなんだけど、最近俺は気になっていることがある。
それはこの本丸の主と、やけに雰囲気が柔らかくなったと思われる大倶利伽羅だ。
この二人には何かある、と俺は勝手に思っている。
主が怪我した時も大倶利伽羅は甲斐甲斐しく世話してたからな。近侍だったから、と言われればそれまでだけど…
そんな矢先、定例会に主が大倶利伽羅と行く事がわかった!しかも泊まりだ、泊まり!これは一大事だと思わねえか!?
幸運なことに定例会後の近侍は俺だからな。その間に決定的なものを掴んで見せるぜ。
…と思っていたけど、定例会から帰ってきてからの主は大倶利伽羅というより、鶴丸とよくつるんでいる。俺の思い違いだったか?
昼間も鶴丸と万屋に行くと言うから、俺も行くって言ったら嫌がられたし。あの鶴丸の嫌がりよう、結構ショックだったなぁ~
しかし!何故かなかなか寝付けなかったその日の夜、遂に動きがあったんだ。
酒でも飲んで早いとこ寝ちまおうかな、なんて思ってたら執務室に誰かが入ってきた。
時刻はもう2時を回ろうとしているのに、こんな時間に誰が!?
ま、まさか!夜這いか!!
一体誰が!?大倶利伽羅か?それとも鶴丸か?
それとも他のやつか!
俺は聞き耳をたてた。
誰かわかんねぇけど、主の部屋に入っていったぞ。
俺は助けに行った方がいいのか?
何かあった時のために暫く様子を伺ってたけど争ってる感じもないし、何も聞こえねぇ。
俺はじっと動きがあるまで待っていた。