刀剣乱舞/Manus in manu~手に手をとって~
第21章 祝杯とイタズラ
大倶利伽羅さんの腕の中は心地が良くて、さっきまで歌仙に怒られていたこともすっかり忘れて甘えてしまう。
「あんたはさっき…」
抱き合っているので、耳元で彼の低い声と息遣いがダイレクトに伝わってきて、穏やかな動きを取り戻していた心臓が途端にまた早鐘を打ち始める。
「俺が呆れて離れていくと…そう思ったのか?」
「…っ、だって…」
「嫌いになるわけがない…」
「…」
甘い声でそんなことを言われた私の心臓は、嬉しさでいとも簡単に更に跳ね上がる。
「だが…」
「…?」
……声が少し鋭くなった気がするのは…気のせい、だろうか…
「…そんな格好を他の男に見せるな」
少し不機嫌そうな声。やっぱり少し怒ってる…
考えたら当たり前だ。スカートがついているといっても短いし…下着は全く透けてないにしても、身体のラインが目立っている。
「ご、ごめんなさい…」
それでも…他の男に見せるな、そんな彼の言葉が嬉しくて、思わずぎゅうっと強く抱き締めた。
すると大倶利伽羅さんは、言葉に詰まったように喉の奥で唸り、ビクリと身体を強張らせて「くっつきすぎだ…」と私を離した。
離されたのが少し悲しくて大倶利伽羅さんを見ると、そっぽを向いているけど、耳まで赤く染まっているのがわかった。